新設「情報・技術科(仮称)」

新設「情報・技術科(仮称)」

先日、これからの学校教育について気になるニュースを目にしました。
次の学習指導要領に向けて、小学校から高校まで「情報」の学びを体系的につなげていこうという議論が進んでいます。

小学校では「総合的な学習の時間」に情報の領域を設け、中学校では「情報・技術科(仮称)」を新設する方向で検討されています。
プログラミングやデータ活用、生成AI。
それだけではありません。
情報を正しく見極めること。情報社会のルールや倫理を知ること。犯罪に巻き込まれないための知識を持つこと。
これからの社会を生きていく子どもたちにとって、「情報」を学ぶことは間違いなく必要だと思います。

ただ、何か新しいものを取り入れるときには、その分、これまで大切にしてきたものがおろそかにならないかも気になります。
特に気になるのが、「読解力は大丈夫なのか?」ということです。

長く子どもたちを教えていると、最近少し気になることがあります。
問題文を自分で読んで、「分かりません」と言う。
そこで、私たちが同じ文章を、少し強弱や抑揚をつけて読んであげる。
すると、「ああ、そういうことか」と理解できる。
書いてあることは何も変わっていません。

もう一つ、気になることがあります。
黒板の文字をノートに写すときです。
黒板を見て、少し書く。
また黒板を見て、少し書く。
以前よりも、黒板を見る回数が増えているように感じます。
一度に認識して、頭に残しておける文字の量が少なくなっているのかもしれません。

もちろん、これは長く子どもたちを見てきた私自身の感覚です。
ただ、教育に携わる者として気になるところです。

私は、これからの時代に「情報」を学ぶことには賛成です。
だからこそ、その土台となる「語彙力」「読解力」、そして算数や数学などを通して身につける「粘り強く考える力」も、これまで以上に大切にしたいと思います。
情報が増え、AIが身近になればなるほど、それを読み取り、理解し、自分で考え、判断する力が必要になるからです。

教育は、時代とともに変わっていかなければなりません。
でも、新しい教育を考えるときには、
「何を変えるのか」と同じくらい、
「何を変えてはいけないのか」を考えることも大切です。

新しい時代を生きる力と、その土台となる基礎力。
どちらも大切にしていきたいと思います。